会長コラム ~Trivia Tweet~

今年はどんな年でしょうか

[2022.01.06]

新年あけましておめでとうございます。

2022正月飾り.jpeg

日頃よりJA十日町グループ事業にご理解ご協力賜りますこと、心より感謝申し上げます。


さて、「今年はどんな年でしょうか。」と言うことで、あれこれ考えてみました。


まずは、昨年の稲作を振り返ると、全国作況101の平年並み、最高は北海道の108、最低は新潟県の96でした。

ここで、なぜ新潟県が最下位だったのかを考えてみました。
一言で言えば「天候に恵まれなかった」ことになるのですが、「本当に天候不順だったのか?」

北陸農政局統計部は(農林水産省北陸農政局HPより)
 作柄は、田植え後の日照不足により初期生育は緩慢となり、穂数は「やや少ない」となったものの、1穂当たりもみ数は7月中旬以降、天候に恵まれたことや、穂数が少ないことによる補償作用により「やや多い」となったことから、全もみ数(穂数×1穂当たりもみ数。以下同じ。)は「平年並み」となった。
登熟は、8月上旬の台風や8月中旬以降の日照不足の影響により、「やや不良」が見込まれる。
このことから、ふるい目幅ベース(1.85mm)の10a当たり予想収量は509kg(前年産に比べ33kg減少)で、作況指数は96が見込まれる。
と、公表しています。

コシヒカリに限ってですが
私はこれに「倒伏した田んぼが極めて少なかった」ことも一因と考えています。
これには、令和1年、2年で圃場が柔らかく稲が倒伏して稲刈りに難儀したことで、令和3年では早めの中干しが推奨され多くの生産者が実行したこと、合わせて穂肥の量を控えたという生産者が多かったことの相互作用によるものと考えています。
要約すれば、天候要因に人的要因が加算されたと言えます。


では本題の今年(令和4年)はどうなるのか。と言うより、どうしなければいけないのか。

○土作り肥料を施用しましょう。
 経費節減、見えづらい肥料効果等で使わない方が増えていますが、丈夫な稲体(根の張 り、茎の堅さ)を作るのに欠かせないものです。

○中干しは早めに行いましょう。
 梅雨本番に入ると土が乾きませんので、天気が良いうちに中干しを完了させましょう。

○穂肥を適期・適量に施肥しましょう。
 栽培指導を参考に、迷うときはJAに相談してください。

何だ、今までと違わないじゃないか。と、言われる方もいると思いますが、昨年の作業日誌があれば見返してみてください。

分析できるデータがあるはずです。


最後に、問題は「天候の予測」となりますね。
最近では「週間予報」はかなりの確率で的中しています。防除作業などの短期的な計画では有効になりますね。
穂肥追肥ではどうでしょうか。
コシヒカリでは、出穂の18日前と10日前の2回追肥を奨励しています。
登熟期の天候は月間予報を参考とすることになりますが、私の感覚では的中確率は6割程度と思っています。
天候不順で、実りが悪いかもしれない。と、肥料を控えるのは、実は穂肥時期に草丈が伸びすぎている、葉色が濃すぎるからではないでしょうか。
先に言ったように、早めの中干し、それによる生育管理が、穂肥の出来る稲体に育てることになります。


最後に、高温被害が毎年のように言われていますね。
気候変動は人為的要因によると明言できるようになり、温室効果ガス(主にCO2(二酸化炭素))の排出削減を先進国が取り組むようになりました。日本では2050年カーボンニュートラルの実現に向け、自動車業界では乗用車については、2035年に新車販売で電動車100%を目指すなど、企業も環境に配慮した持続可能な(サステイナブル)企業活動が求められていて、SDGsに取り組まなくては成り立たなくなってきています。
農業においてもSDGsに取り組む必要がありますが、植物を育てているからカーボンニュートラルは関係ないのは少し違っています。例えば、使う肥料・農薬・農機具等を作る工場や原材料の運搬ではCO2を出していますし、収穫した農産物も運搬するのにCO2を出だしています。
工場や運送に伴うものはさておき、農業生産の中でも環境に配慮した持続可能な手法を構築する必要があります。
一つには有機栽培を取り入れること。10年近く前に国会で議員立法により有機農業関連法案が成立していますが、以外と知らない方が多いですね。
完全な有機栽培は技術的に難しい面も多いのですが、化学肥料・農薬の使用割合を減らしてゆくことと、良質な堆肥を基にした土作りも重要と考えています。


またまた脱線の連続で、とりとめも無い話になってしまいましたが、持続可能な農業の確立に向け微力ながら尽力したいと思います。


皆様のご健勝ご多幸を祈念申し上げます。

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