今日は朝から晴れたので、早い時間から稲刈りが始まっていました。
よく言われることに
米は1等米が良い。
検査等級と食味は関係ない。
などなど、様々な話がありますね。
では、米の検査はどのようにしているのか。
知っている人は少ないと思いますので、簡単にご紹介します。
検査する場所
屋内の常設場所でも、秋だけ臨時に設置しても、屋外でなければ良いようです。
JA十日町 川西倉庫検査場(屋内常設)
JA十日町 臨時検査場(プレハブでもOK)
ただし、検査する場所は北向きになっています。
意外ですよね。
南向きの方が明るいと思うのですが、北向きの方が見やすいのだそうです。
曇って暗かったら明かりをつけるの、と言うと、自然光でないとだめなのだそうです。
これからは日没が早まりますから、夕方は4時頃には検査を終了します。
検査は
重量検査
30kg袋の場合、袋の重量を合わせて皆掛け重量と言います。
皆掛け重量は30.5kgです。
少ないのは当然ですが、重すぎても検査を受けられません。
水分検査
米は貯蔵する必要があるため、水分15%となっています。(大豆、そば、穀類は同じ)
水分が多い場合、再度乾燥してもらうか、水分過多として下位等級とするか、生産者に選択してもらいます。
外観検査
整粒、被害粒(これには、背白、腹白、乳心白、基部未熟、割れ、青未熟、その他未熟(充実が悪く細い米))の割合により
整粒歩合が70%以上が1等米
60%~70%未満が2等米
45%~60%未満が3等米
45%未満は規格外米となります。
着色(むれ米、カメムシの食害による斑点米)粒
1等米 0.1%以内
2等米 0.3%以内
3等米 0.7%以内
と厳しいものとなっています。(玄米の色彩選別機が有効な理由はこれにあります。)
この他に、雑草の種、異物(石、金属、木片)等それぞれ最高限度が決められています。
一般的な出荷形態の30kg袋でJA出荷のパレット積(1段が7個で積む場合)を例に外観検査手順をお話しします。
皆掛け(かいかけ)重量を量ります。検査数で数が決められています。
検査数によって抜き取るサンプル(刺し米)数が決められていますが、6段満載の42袋の場合15袋からサンプル採取します。抽出検査と言います。
検査個数を数えます。
サンプルを取るため、1段目から決められた袋にチョークで番号をつけます。
袋側面から2カ所、刺し棒でサンプルを抜き取り、見取り箱の番号に合わせて小箱に移します。刺しあとには専用のシール(○に検)を張り、米がこぼれるのを防ぎます。
見取り箱
見取り箱の小箱からランダムに少量の玄米を取り、水分計で水分を計測します。
水分計
小箱のサンプルを検査用の黒皿(カルトンと言い、白色もあります。)に一粒ずつ見える程度に広げます。
黒色のカルトンでは、整粒と被害粒の割合を判定します。
微妙な場合は、一粒ずつより分け、重量で整粒歩合を計算します。
着色粒がある場合は、白カルトンで同様に歩合を計算します。
判定が微妙な時(整粒歩合が71~69%など)は、すべての出荷袋からサンプルを取り検査します。毎個検査と言います。
毎個検査の場合、複数の等級格付けとなることがあります。(等級割れ)
検査が終了したら
検査証明のため、年月日と検査者氏名、等級印を各証明欄に押印します。
検査結果と押印数が合致しているか、必要な押印はされているか、刺しあとには専用のシールが貼られているかを確認します。
こんなのも使っています。
もち米とうるち米を判定するため、ヨード液に簡易精米した米を浸し、褐色になればもち米と判定します。
これで、農産物検査法による米の検査は終了となります。
この他に、食味に関する分析をし、玄米タンパクの多いはコシヒカリは等級検査とは別に取り扱いすることになります。