今月の農業人

糀に魅せられ 辿り着いた場所

松代地域北山地区 地域おこし協力隊
南雲歩さん(49)

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「家の近くに酒蔵があったからか「お米からアルコールが出来るのか」と疑問に思って自由研究に挑んだり・・・
小学生の頃から日本酒のことに興味津々でしたね(笑)」そう話すのは、地域おこし協力隊任期3年目の南雲歩さん。

日本酒に興味を持ち、こうじに魅せられ辿り着いた松代地域で、酒米を栽培し糀造りをしています。協力隊として糀造り教室をしたり、手作り
の甘酒を振舞ったりと「糀」が地域との架け橋になっています。

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20歳から33歳まで湯沢や柏崎の酒蔵に勤め、アルコールの分析や発酵作業、糀造りなど製造を担当していた南雲さん。
退社後は文化を含めた日本酒の魅力を広く発信するため、日本酒文化国際交流プロジェクト「Niigata SAKE Lovers」を仲間と立ち上げ、日本酒を世界に発信するスタッフとして活動してきました。

その当時、カナダに留学したことが南雲さんにとって大きなターニングポイントとなります。

「自分はトランスジェンダーで何十年も人に言えず、本当の自分を隠し生きていました。海外で生活する中で、トランスジェンダーである自分を認めることができ、周りに打ち明けられるようになり、それがきっかけで自分らしく過ごせるようになりました」と話す南雲さん。

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そこから人や地域とも、積極的に本音で関わることができるようになったといいます。
留学して"その土地で育ったブドウをその地で1本のワインにする"という地産地消の考え方を学んだ南雲さんは「自分で酒米を栽培し、その米で日本酒を造りたい」という想いを実現するために松代に辿り着きました。

地域おこし協力隊として、2年目の田んぼは、酒米(1反)を育苗から栽培しました。
ゼロからの農業を応援してくれたのは地域の人たちでした。

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「地域の方たちがいつも気にかけてくれてありがたいです。今後も農業を続けながら「糀」を軸に新たな糀事業をやっていきたいですね。どぶろく造りにも挑戦したい。香りや手触り、見た目・・・生き物の様にお米から糀に変化していく。そこを研究することが本当に面白いんです」と糀造りの魅力を笑顔で話す歩さん。

自身が育てた糀を地域で活かすため、新たな挑戦が始まります。


                                 広報誌とかちゃん 2021.11月号掲載

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