会長コラム ~Trivia Tweet~

進化する米作り その3(肥料 元肥編)

[2018.06.28]

例年より早い梅雨入りとなりましたが、梅雨時期の前半は比較的晴れの日が多いようで、天水田地域では、まとまった雨がほしいところです。

災害は困りますが、稲だけで無く、農作物にとって雨は必要ですからね。


さて、今回から、稲の生育に欠かせない肥料について話をしてみたいと思います。


肥料とは言っても、植物は意外なことに元素または化合物を吸収します。

植物の生育に必要なものは、チッ素(N)リン酸(P)カリ(K)の三要素と、稲の場合 鉄、アルミナ、マグネシウム、マンガン、亜鉛、ケイ酸 などの微量要素(大量には必要としないもの)があります。


三要素のN・P・Kは肥料袋に割合が%で記載されています。

12-8-10と表記されている場合、チッ素12%、リン酸8%、カリ10%となっています。(肥料法と言う法律で厳格に規定されています)
DSC_0037_r.jpg


肥料の三要素について

肥料名 役割 過剰 欠乏(不足)
チッ素(N)

葉や茎を大きくし葉の色を濃くするため「葉肥」といわれます。植物のタンパク質や葉緑素などをつくるために必要となります。

花や実が付きにくくなる。生育は良いが全体的に軟弱になり病害虫にかかりやすくなります。 生育が悪くなります。緑色が薄くなり葉が薄黄色になります。
リン酸(P) 開花・結実に役立つため「実肥」とよばれます。植物の細胞を構成する成分で、細胞分裂の盛んな茎や根の先端部に多く含まれています。 障害は出難いが成長が止まり成熟が促進して収量が低下します。 花の数が減り、開花や結実が遅れる。 古い葉の縁が黒味がかったり紫色になる。 根の伸長が悪くなる。
カリ(K) 根の発育を促進するため「根肥」といわれています。植物の生理作用を円滑に行う働きをして生長促進をはかっています。 病気や寒さなどに対する抵抗力をつける作用もあります。 カルシウム、マグネシウムの吸収が悪くなります。 実の味や外見が悪くなる。 葉の縁から変色したりする。 根の生育が悪くなり根腐れを起こしやすい。




まずは、田植えをする前にする肥料のことを「元肥(もとごえ)」と呼んでいます。

また、基肥と表記されている場合もありますが、ここでは、元肥で話たいと思います。

田植えをする前、とは言っても、前回の田植機で説明した「側条施肥」も元肥に含めて話したいと思います。


元肥をほどこす方法としては、

田んぼを耕す前に肥料を施して耕耘する「全層施肥(ぜんそうせひ)」、

代掻き直前に肥料をほどこす「表層施肥(ひょうそうせひ)」、

植え付ける苗の側の土中に筋状にほどこす「側条施肥(そくじょうせひ)」と大きく分けて3パターンがあります。

肥料のほどこし方も、機械や人力でまく方法があります。

耕耘前に堆肥をほどこすことがありますが、堆肥は後ほど「土作り」で話したいと思います。

全層施肥、表層施肥、側条施肥には、それぞれ特徴があり、品種、肥料、田植機、田んぼによって方法が異なっています。


特徴

全層施肥は、耕した深さに均一に肥料が混じるため、肥料の効き始めがゆっくりとしていて、長く肥料が効いています。


DSC_0183_r.jpg

表層施肥は、表面の数センチに肥料が混じるため、肥料の効き始めが早く、全層施肥に比べ短期間で肥料の効きが無くなります。JA十日町管内では使用例がほぼ無いため、以後の説明は省きます。

DSC_0349.JPG

側条施肥は、表層施肥のように肥料の効きが早いのと、肥料効果が切れるタイミングが明確です。また、肥料効率が高いため、他の方法に比べ約2から3割肥料を節約できます。

DSC_0353_r.jpg


栽培品種と施肥の方法


コシヒカリ

コシヒカリは草丈が伸びやすく、倒れやすい品種です。

草丈をあまり伸ばさず倒さないために、穂の出る一月前に肥料三要素の内チッ素(N)の効きを弱める(肥料をコントロールする)必要があります。

ただし、最初から肥料を少なめにすると、茎の数が増えず、収穫が減ってしまいます。

全層施肥の場合、速効性(早く効いて持続性の短いもの)の肥料を使用していることが多いようです。

側条施肥の場合は、コシヒカリの栽培に適していますが、田植機を側条施肥機付きにする必要があります。(施肥機付きの分だけ、田植機が高額になります。)

チッ素の効きが弱まると、葉の緑色が薄くなってきます。

また、中干し・溝きりを行うと、田んぼの土が硬くなり、チッ素の効きを抑える効果も出てきます。


あきだわら等の多収性品種

草丈が短く、倒れにくい品種が多いようです。

本来、チッ素肥料を多く消費するのと、チッ素欠乏になると収穫量が激減するため、コシヒカリほどチッ素の制限を行う必要はありません。

全層施肥、側条施肥ともに緩効性(肥料効果の長いもの)の肥料を使用します。


最近の傾向

元肥一発(もとごえいっぱつ)肥料を使う人が増えています。
元肥一発肥料とは、名前の通り春にほどこすだけで穂肥を省くものです。

ただし、中間追肥のP・K追肥は必要です。 コシヒカリの場合、天候によっては肥料過多になることがあり、現在では穂肥を1回行うように指導されています。


次回は、中間追肥と穂肥肥料についてお話ししたいと思います。

  • ATM案内
  • 高齢者支援
  • レシピ集
  • ローン相談会
  • 今月の農業人
  • ポイントを貯めよう
ページ上部へ